マイナゴ
職場温度マイナス5℃プロジェクト
2025年 9月 17日

建設現場で注目される遮熱シートとその効果

はじめに

夏の建設現場は、直射日光・アスファルトや鉄骨の照り返し・重機の稼働熱が重なり、体感温度が40℃を超えることも珍しくありません。特に鉄骨や足場の上で作業する職人は、逃げ場のない暑さにさらされます。そんな環境で今注目されているのが 「遮熱シート」 です。現場を覆うだけでなく、作業員や材料を守る役割を果たし、熱中症対策として導入が進んでいます。本記事では、遮熱シートの仕組みと効果、導入ポイントについて詳しく解説します。


遮熱シートとは?

遮熱シートとは、特殊なコーティングや反射材を使い、太陽光の赤外線を反射することで熱の侵入を防ぐシートのことです。一般的なブルーシートや養生シートと比べて、遮熱性能が高く、建設現場の過酷な暑さを和らげることができます。

  • 原理:赤外線を反射し、熱エネルギーをシート外に逃がす

  • 特徴:通常のシートよりも室内温度上昇を2〜5℃抑制

  • 素材:アルミ蒸着フィルム、遮熱顔料入りポリエチレンなど


建設現場における主な活用方法

1. 仮囲い・足場シートとして

建設現場の外周や足場に遮熱シートを取り付けることで、内部に熱がこもるのを防ぎます。通常のメッシュシートに比べ、直射日光を大幅にカットでき、作業員の体感温度を下げられます。

2. 作業エリアの天幕として

資材置き場や休憩所の上部に遮熱シートを張ることで、日陰をつくり、直射日光を避けられます。休憩時の体力回復にも大きな効果があります。

3. 仮設建物やコンテナの屋根に

現場事務所や休憩用コンテナは熱がこもりやすい空間。屋根に遮熱シートを敷くと、エアコン効率が上がり、電力コストの削減につながります。

4. 資材・機材の保護

鉄筋や機械は太陽光にさらされると高温になり、作業効率や安全性に影響します。遮熱シートで覆えば、資材の変形・劣化を防止することも可能です。


遮熱シートの導入メリット

  1. 作業員の熱中症予防
    体感温度を下げることで、作業中の集中力低下や体調不良のリスクを軽減します。

  2. 作業効率の向上
    暑さによる休憩時間の増加や作業スピードの低下を抑えられるため、工程の安定化に寄与します。

  3. コスト削減
    空調効率の向上や資材保護によるロス減少で、長期的にコストメリットがあります。

  4. 環境配慮
    遮熱によって空調使用量を減らすことができ、省エネ・CO₂削減にもつながります。


遮熱シートの種類

メッシュタイプ

  • 特徴:通気性があり、風を通すため安全性が高い

  • 用途:足場や外周仮囲いに最適

フィルムタイプ

  • 特徴:遮光率が高く、強力に日射をカット

  • 用途:資材養生や仮設屋根として利用

アルミ蒸着タイプ

  • 特徴:赤外線反射率が高く、強力な遮熱効果を発揮

  • 用途:資材保護や仮設コンテナ屋根に最適


導入時の注意点

  1. 風の影響への対策
    シートが風を受けやすいため、強風時にはバタつきや破損に注意。しっかりと固定する必要があります。

  2. 透光性の確保
    遮熱性能が高いほど暗くなりやすいため、作業に必要な採光を考慮した選択が大切です。

  3. 耐久性とコストのバランス
    高性能タイプは高価ですが、長期間使用する現場や再利用を考えるとコストパフォーマンスは良好。

  4. 衛生管理
    休憩所などに使用する場合は、定期的な清掃でカビや汚れを防止することが重要です。


導入コストと助成制度

遮熱シートの価格は、一般的なブルーシートより高めですが、数百円〜数千円/㎡程度で導入可能です。施工規模によりコストは変動しますが、熱中症対策や省エネ効果を考えると十分投資に見合います。
さらに、自治体によっては「建設現場の労働安全衛生対策」「省エネ設備導入」に関する助成金や補助金を活用できる場合もあります。


まとめ

建設現場における暑さ対策は、作業員の安全と工程管理の両面から極めて重要です。遮熱シートは、比較的手軽に導入でき、効果が目に見えて現れる優れた対策のひとつです。

  • 体感温度を下げて熱中症を防ぐ

  • 作業効率を維持し、工期を安定化する

  • 資材・機材の保護にも役立つ

これらのメリットを最大限に活かすためには、現場環境に合わせたシートの種類選びと適切な設置方法が欠かせません。暑さに立ち向かう建設現場にとって、遮熱シートは「現場を守る盾」と言える存在でしょう。