マイナゴ
職場温度マイナス5℃プロジェクト
2025年 9月 22日

オフィスで実践する体調管理と休憩ルールづくり

はじめに

オフィスは冷房が効いているから安全、と思いがちですが、実際には「冷房の効きが不均一」「湿度管理が不十分」「長時間座りっぱなし」といった要因から、体調を崩す社員も少なくありません。特に猛暑日が続く夏は、熱中症リスクが屋外だけでなく室内でも高まります。そこで重要になるのが 体調管理と休憩ルールづくり。会社全体で仕組みを整えることで、社員の安全と生産性を守ることができます。


オフィスで起こりやすい体調不良の要因

  1. 冷房の当たりすぎ
     直接風に当たり続けることで冷えすぎや頭痛、肩こりの原因に。

  2. 脱水症状
     冷房下でも体からは水分が失われ、気づかぬうちに脱水が進行。

  3. 長時間の同じ姿勢
     座りっぱなしで血流が滞り、倦怠感や集中力低下を招く。

  4. 温度ムラ
     窓際や機械の近くは暑く、エアコン直下は寒いといった環境差。


体調管理の基本アクション

1. 水分補給の習慣化

  • デスクに常に水筒やマグを置き、こまめに飲む。

  • コーヒーやお茶だけでなく「水」や「経口補水液」を推奨。

2. 温湿度の可視化

  • 室内に温湿度計を設置し、WBGT(暑さ指数)を管理。

  • 「温度26〜28℃」「湿度40〜60%」を目安に調整。

3. 軽いストレッチと運動

  • 1時間に1回は立ち上がり、肩回しや足の屈伸で血流改善。

  • エレベーターではなく階段を使うなど小さな運動を習慣化。

4. 睡眠・食事のサポート

  • 社員食堂や福利厚生で栄養バランスを意識した食事を提供。

  • 睡眠不足は熱中症リスクを高めるため、生活習慣の啓発も大切。


休憩ルールづくりの重要性

強制的な休憩時間の確保

  • 「1時間に5分休憩」「午前・午後に1回ずつリフレッシュ休憩」など、制度化することで休憩を取りやすくなる。

グループ休憩の導入

  • チーム単位で交代制の休憩を取り、全員がリフレッシュできる仕組みをつくる。

リモートワーク時の休憩ルール

  • 在宅勤務でも「ポモドーロ・テクニック」などを活用し、定期的に休む習慣を徹底。


実践アイデア

  1. 休憩スペースの充実
     観葉植物や冷却グッズを置いたリフレッシュルームを設置。

  2. アプリでの体調管理
     社員の水分補給・休憩状況を記録できるアプリを導入。

  3. 体調セルフチェックカード
     毎朝の健康チェックを簡易カードやアプリで報告。異常があれば早めに対応。

  4. 熱中症対策マニュアルの配布
     「めまい・頭痛・吐き気が出たら即休憩」など具体的に記載し、周知徹底。


導入事例

  • IT企業
     アプリを使って休憩時間を自動通知。社員の休憩率が上がり、午後の集中力が改善。

  • 製造業オフィス部門
     空調ムラを改善し、WBGT管理を徹底。熱中症件数ゼロを達成。

  • 中小企業
     簡易的に「毎正時に休憩アナウンス」を実施。コストをかけずに実効性を高めた。


自治体や制度の活用

一部自治体では「オフィス環境改善助成金」や「職場の熱中症対策支援事業」といった制度を用意しています。空調機器の更新や温湿度センサーの導入、社員教育プログラムなどが対象になる場合もあり、導入コストを抑えられます。


まとめ

オフィスでの熱中症や体調不良は、本人の意識だけに頼るのではなく、 組織としてルール化し、仕組みで守ること が大切です。

  • 水分補給・温湿度管理・ストレッチを習慣化

  • 定期休憩ルールを制度化して全員が守れるようにする

  • 自治体制度や補助金を活用して環境改善を進める

これらを実践することで、社員一人ひとりが安心して働けるオフィスを実現できます。暑さの厳しい夏こそ、体調管理と休憩ルールづくりが企業の生産性を左右する鍵となるでしょう。